自己認識力を高める 自分を深く正しく知るには?

最近ビジネスの現場においても自己認識力という言葉が使われるようになってきました。自己認識力とはいったいどのようなものなのでしょうか?文字通りに受け止めると、自分のことがどれだけよくわかっているのかということです。

それには「内面的自己認識」と「外面的自己認識」の2種類あると言われています。「内面的自己認識」とは自分の内面世界を観察し認識することです。自分の強み、価値観、人生の目的、情熱、願望、反応(思考・感情・行動)等について、自身がいかに明確にとらえているかを表します。一方で「外面的自己認識」とは自分が見る自分と「他人」が見る自分がどれだけ違うのかを把握することを指します。自分が他者にどう見られているかがわかっている人は、共感力と、他者の視点に立つ能力に長けていると言われています。

転職においても、将来やキャリアを考える際においても自身の強みや価値観、実現したいこと、人生の目的を改めて整理し自覚するということは非常に大切なことであると私は考えています。

自分を深く正しく知っているということは働く・生きる幸せや生産性の向上に直結するからです。

では、どのようにして自己認識力を高めることができるのでしょうか?

私はそれには大きく4つの方法があると考えています。

一つ目は自身で「自問自答しながら気づく」方法です。ある時は今までの過去の経験を長いスパンで振り返りながら、ある時は今日一日を振り返りながら、未来にも目を向けて、意識的に自分がどんな価値観を持っているのか、どんな人にはない良い所があるのか自分で気づくということです。しかし、自分自身で正しく把握している人はかなり少ないように思います。求職者対応やキャリア相談をしていて自分の良いところを答えられなかったり的を射ていない方が多くいらっしゃいます。自分自身について人と比較して客観的に分析したり、将来について考える機会が普段あまりないことも影響しているかもしれません。

二つ目は友人や家族、同僚など近しい人に自分はどんな人か「フィードバックをもらう」という方法です。これは意外と自分が考える自分とのギャップを埋めるという意味でも有効な手段であるように思います。

さらに自己認識力を高めていくためにはキャリアの専門家に「自分のストーリーや過去の経験を聴いてもらうことで気づきを得る」という方法も有効です。

私がこれを行う際は、今までの経験を過去に遡って棚卸しし、そのときに発揮された強みや価値観、身についたスキルを考えるという方法を取っています。一つ一つは個別の経験ですが、共通した価値観を元に活動していたり、同じような強みを発揮しているケースが多くあります。また、第三者の目線で聴いてもらうことで今までにはない気づきを得られることもあります。

最後の4つ目に、場合によってはstrengths finder、キャリアアンカー、エニアグラムといった有料・無料の性格診断・検査のような「客観的指標を使う」ことを勧めることもあります。それはどんなケースかというと自分の強みや価値観について考えたことがなくて、全くわからないといった場合です。性格診断や検査は絶対的なものではないとは思いますが、何もないところから考えるより、こんな要素や定義、言葉の枠組み、共通言語があるのかと知って、その中で自分はどれに当てはまりそうかと考えるだけで十分効果はあります。

自分自身を知ることについて、自身で過去の人生選択や人生経験を振り返ったり、将来を考えたり、自己啓発本を読んだり、勉強会に出たり、近しい人に相談したりして発見していければそれに越したことはないと思います。しかし、「客観性」「正確性」という点ではキャリアの専門家に相談すること、性格診断を行うことも場合によっては有効です。

是非みなさんもこの機会に自分の強みや価値観、実現したいこと、人生の目的、持っているスキルについて考えてみてください。

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